まなめはうす

良いニュースで、良い人生を。

私のお気に入りの本2022

今年は100冊読みました。炎上PJをどうにか収束させたと思ったら、今度は立ち上がったばかりで何も揃ってないビッグプロジェクトに飛ばされ、イチから仕組みを作っているところですが、合間を縫っては読書はしています。ただ、今年は傑作といえる本との出会いが少なかったなーと思うので、やっぱりまだまだ余裕がないのでしょう。読書には余裕が必要。
トピックとしては2つ、1つはIT関連書籍は読んでタメになったことを1冊あたりパワポ1枚に整理して、会社向けに残すようにしました。振り返りもしたいですね。もう1つは「新刊の表紙を眺めるだけのブログ」というブログを新たにオープンしました。控えめにいって最高傑作と思うほどに、毎日更新されるのが楽しみです。書店で新刊コーナーの山積みを見る楽しみの、オンライン版ですからね。ちょっと毎日更新大変なところがまだ改善されていませんが、私が楽しいので続けていきますよ。


■SFミステリーの傑作
「電気じかけのクジラは歌う」逸木裕

人工知能の作曲アプリ「Jing」により作曲家が絶滅した近未来において、とある人気作曲家が自殺することにより、かつてチームを組んでいたメンバーである主人公が、真実を追い求めていくお話。
「AIが人間の仕事を奪う」と言われ続けて早数年。人間だからできること、AIだからできること、それを真剣に考えて、ものづくりまでもAIに取って代わられてしまったらどうなるだろうと、著者が考え抜いたアンサーソングなのでしょう。AIに対する考えや、人間ができること・できないことを考え抜いて出した結果がとても熱かったです。傑作!

■オーケストラに指揮者は必要なのか?
「楽園ノイズ4」杉井光

222ページからの数ページで今巻は最高だって思った。Amazon評価も、6月時点69件で平均☆5つだったので最高と思った人が多かったのだろう。なんていうか、この問いがあって、取材をして、自分なりの回答を見出し、それを楽園ノイズの文法にのせて伝えてくるのほんと素晴らしいと思う。この辺ちょっとなれるSEに似てるなとも思うけれど、どちらかといえばありがちな展開でも、感動できるだけの伝え方や伝えるものがあると、ぞくぞくするものだなって。
今回のテーマは指揮者。著者があとがきで言ってた番組は私も見た記憶があって、同じように違いが分からなかった側の人間だ。指揮者で何が変わるのか、指揮者として何を変えるのか、一つの回答として魅せ方が良かったです。

ロリコンの教師は許されるのか
「ニキ」夏木 志朋

2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。LGBTなど、マイノリティが許容されつつある時代において、許容されるマイノリティはどこまでなのか。マジョリティとしてしか生きられない人が少なくない世界で、マイノリティとして生きていかざるをえない人たちの生きにくさを感じる。
ちなみに私はロリコンの教師は別に問題ないと思うけれど、許す側ってえてして許さない人が少数派でも許容されない問題。すべての人に認められるなんて無理なことに注ぐくらいなら、人生諦めて細く生きていく・・・しかないんですかね。そんな葛藤を感じました。


★おまけ:妻の今年の一冊

今年は2冊だそうです。
オオルリ流星群」は天文台をつくる大人達の青春小説で、自分の天文台DIY…素晴らしい…とのこと。「追憶の烏」は、長らく推してるシリーズで、シリーズものはこういう唖然とする展開があるから面白いとのこと。よろしければこちらも参考にどうぞ。


良い本で、良い人生を。
2023年も良い本に出会えますように。