まなめはうす

良いニュースで、良い人生を。

勤労統計問題は根深い問題である

アゴラ(池田信夫氏)のキャッチーな取り上げ方に騙されてはいけない。

agora-web.jp

アゴラ:COBOLが原因
事実:開発で使われている言語を扱える者が少なかったことが原因(JavaでもPythonでも使える人が少なければ起きる)

アゴラ:COBOLで書かれた特殊なプログラムなので高齢者しか読めず、そのミスがチェックできない
事実:COBOLで有名といえば「株式会社COBOL」だけれど、サイト見たとおりに若い女性が多数いる。私もちょっとだけ読めるけれど、COBOLなんて制御簡単で業務を記載する言語だろうから他の言語読めればほとんど読めると思う。

そんな感じでCOBOLTwitterでバズっているけれど、本当の原因は何なのか。厚労省の報告書からプログラムのバグに関するところを読んでみた。

変更管理がされていない

抽出替え等によりシステム改修の必要性が生じた場合には、企画担当係とシステム担当係が打ち合わせをしながら、必要な作業を進めていくが、その際にはすべての仕様をペーパーで依頼する訳ではなく、口頭ベースで依頼することもあった。

これは言語道断。トレーサビリティ無しでやって良いシステムではないと思う。

管理されていない?

毎月勤労統計調査については、具体的なシステム改修関係の業務処理は係長以下で行われ、一般的には課長や課長補佐が関与しない。

良く言えば権限が委譲されている。悪く言えば、管理されていない。

内製化の問題

システム改修の依頼を受けたシステム担当係は外部業者等に委託することなく自前でシステム改修を行うことになるが

内製化したらバグが出て甚大な被害が発生しました!って典型的な例。このリスクを回避するためにプロに外注するものだし、COBOL要員がいるならまだしもCOBOL要員もいないのに内製化しちゃうとか大丈夫か…

工程完了基準が定められていない(順守されていない)

毎月勤労統計調査に係るシステムのプログラム言語はCOBOL であり、一般的にシステム担当係で COBOL を扱える者は1人又は2人に過ぎなかった。このため、一般的にシステム改修を行う場合はダブルチェックを行うが、ダブルチェックができない場合も多かった

ダブルチェックしなかったのが悪いとは、私は思わない。だって品質保証手段は他にもあるのだから。
例えダブルチェックできなかったとしよう。だとしたら工程完了報告書に残存リスクとして「ダブルチェックできない体制だった」と記載されるはず。それを承認した人が「それで良し」としてリスクを受容したから今の状態があるわけで、私が普通に報告を受ける立場だったら「ダブルチェックの代替保証策として何をしたか」を確認すると思う。

開発プロセスが整っていない

このことは職員・元職員のヒアリングの中で「単純なプログラムミスだと思う。」、「システム更改のタイミングでオペレーションが漏れたのではないかと思う。」といった供述が出ていることとも符合し、システム改修の過程において事務処理の誤りを生じやすく、事務処理の誤りのチェックが適正に行われにくい体制上の問題点は職員の間でも認識されていることがうかがわれる。

現場も気づいているのに上役は何をしていたの?

結論

何一つプロジェクト管理されていない!
国のシステムがこれで大丈夫か…


良いプロジェクト管理で、良い人生を。
PMBOK読んで出直してきて欲しいです・・・