まなめはうす

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書評:ピアニストの脳を科学する

フォロワーが絶賛してたので読んだら私も絶賛したくなったので紹介。

ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム
古屋 晋一
春秋社
売り上げランキング: 27,476



芸術と科学なんて水と油と思う人がいるかもしれないけれど、実際にはたくさん研究されているんだなってのがあとがき後の出典一覧の量で思い知らされました。だからこそ、ピアノにかかわる人や音楽にかかわる人、はたまたちょっと興味があるってだけでも楽しめる一冊だと思います。内容を一言で言うならば、超絶技巧の楽曲を演奏する時に、ピアニストの脳と身体がどのように働いているかを説明している本で、一流のピアニストと普通の人の比較など、さまざまなデータが紹介されていてなるほどと思わせられるところが多く、たいへん響きました。

  • 同じ指の動きをしてもピアニストの方が活動している脳細胞の数が少ない
  • ピアノを始めるならば何歳までに始めるのが効果が高いか
  • ピアニストはミスを事前に予測して修正することができる
  • 良い耳を獲得するためには何歳までにピアノを始めるのがよいか
  • モーツァルトを聴くと頭が良くなるのは本当か
  • なぜ楽譜の初見で演奏ができるのか
  • 演奏技術を維持するためには毎日何時間練習する必要があるか
  • 感情を込めた演奏とそうでない演奏の違い

などなど、「それなんで!?」「答え知りたい!」って内容が盛りだくさんだと思います。
特に私はミスを事前に予測して修正していく能力には感動しました。ピアニストの補正能力は素晴らしい!


正しい知識で、良い芸術を。
私が大学時代練習しまくったこの曲も、今は完全に弾けなくなってしまいましたね…

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