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【書評】コンピューターで「脳」がつくれるか

今日は本を読んだので感想を。
と言っても2016年になってからこれで読んだ本は136冊目です。忙しくてニュースサイトやめたのでは?といったつっこみは無しです!どんなに仕事が忙しくても家ではインターネットするし、通勤時間は本を読むのです。その貴重な読書タイムが、今となってはポケモンGOに奪われつつあり全然読書がはかどらなくなってしまいましたが、読んで思ったことは書き残しておきたいなと思います。


コンピューターで「脳」がつくれるか
五木田 和也
技術評論社
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目次はこんな感じ。

1章 人工知能人工知能ではない?
2章 生きるための知能、道具としての知能
3章 どこまで脳のしくみを解明できるか
4章 人間を追い越したコンピューター
5章 汎用人工知能をつくるには
6章 変わる人間の未来


kazoo04.hatenablog.com




一言でまとめると、導入書にピッタリの一冊!といったところでしょうか。


巷に、人工知能に関する本が充実してきましたね。私も話題に乗り遅れまいと今年は「ITエンジニアのための機械学習理論入門」「はじめての人工知能 Excelで体験しながら学ぶAI」と次いで、これで三冊目になります。この2冊は手を動かしながら理解していくといった感じで、PythonExcelのサンプルプログラムを動かしながら理解していくといった感じでしたが、この本はプログラミングに関する予備知識もなしに読めるので、誰でも手に取れるのが良いところですね。


当書では、汎用AIを作るにはどうしたら良いかといったテーマで、AIを特化型と汎用型に分け、脳の仕組みの説明から対応する特化AIを結びつけることで汎用AIを作れるのではといったお話で、そのための問題やその後の問題について語られています。実際に脳の機能から特化したAIを充てることで汎用の人工知能ができるのではないかという仮説は良かったですね。ただ、足し算により作り上げていくとなると、足りない部分が見つかったら足し続けてなくてはいけない難しさも感じながら、一方で、ある壁を超えたら一気に成立しそうな気もして、挑んでみる楽しみは感じますね。


ネットでも「人工知能によってなくなる職業」といった記事は、数か月に一度のペースで話題になるもはや定番ネタですね。私はこの記事を見るたびに、その人工知能が生み出した資産は誰の手に行くのだろうって考えます。人工知能を作り上げた人に富が集中するのでしょうか。機械のように、経営者によって先行投資と回収と交換を繰り返していくのでしょうか。ソフトウェアのように、パッケージ販売されたりSIerによってカスタマイズされるのでしょうか。世界がこぞって人工知能に投資している姿を見ると、我こそ先にと独占していこうと考えているのでしょう。そう考えると危機感を持ってしまうので、著者のかずー氏にはがんばっていただきたいですね。


べっ、別に著者に褒められたのを覚えてて宣伝したわけじゃないんだからね(///


おまけですが、だいぶ前に私の中で脳科学ブームが来てた頃に読み漁った中で良かった本を挙げておきますね。興味があるようでしたらぜひ。

  • ビジュアル版 脳と心の地形図―思考・感情・意識の深淵に向かって
  • バカはなおせる 脳を鍛える習慣、悪くする習慣
  • 単純な脳、複雑な「私」
  • 考える脳 考えるコンピューター
  • Mind Hacks―実験で知る脳と心のシステム